真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

長屋の花見と自律分散型システムと大戸川ダム

[落語に聞き惚れた]
◎私は、若い頃、よく落語を聞きに行った。その頃には、桂米朝桂枝雀笑福亭仁鶴などそうそうたるメンバーが、連日テレビやラジオでもてはやされていた。寄席では、30分以上に渡る演目に聞き惚れたものであった。
[長屋の花見]
◎そのような落語の中に「貧乏花見」or「長屋の花見」(fromWikipedia)という演目がある。長屋の住人たちが、食べ物や飲み物を持ち寄って、花見に行こうという筋立てである。
[持ち寄りパーティー]
◎その欧米版が、ポットラックパーティー、持ち寄りパーティー(持ち寄り散財/寄り合い酒)であり、日本でも盛んになりつつある。
[堅い話]
◎という言葉をマクラにして、今日話題にしたいのが、「中央集権型システム」と「自律分散型システム」という堅い話である。
[引き写し的な表現を多用する無様]
◎私にとって(専門分野などなく)全くの専門外の分野なので、自分の言葉で話を進めるほどの力量がない。よって、かなり引き写し的な表現を多用する無様をお許し願いたい。
[中央集権型システム]
◎中央集権型システムとは、問題解決を階層上位に集中させる組織である。金正日氏が率いる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)がその典型例である。独裁国家体制である。あるいは、ワンマン経営である。すべてをトップダウンで処理する。
[国民全員が組織の歯車]
◎組織の構造はおおむねピラミッド型であり、彼(とその直属組織)の指揮命令のもと、国民全員が組織の歯車として動く。 中国もこれに近いように思える。
[個人が組織に従属]
◎個人が組織に従属する中央集権型では、彼1人(トップ)が考えて残り全員が彼が従う。しかし、この政治体制がことごとくうまく動いていなかったのは火を見るよりも明らかがである。
[民主主義]
◎それよりも国民全員が知恵を出し合う(持ち寄る)組織の方が断然強い。この体制が民主主義である。その卑近な例として、長屋の花見と持ち寄りパーティーをマクラにした。
[全員参加型の自律分散型]
◎知識の生産様式が、ごく一部の専門家に限定される中央集権型から、全員参加型の自律分散型へと転換すべきであろう。 これがネットの普及によって、幾分か実現しつつある、まだまだ未熟ではあるが。
[トップダウン式に全国民に情報を流す]
◎極一部の全国紙版の新聞やテレビ放送がトップダウン式に、全国民に情報を流す時代から、全員参加でネット内に情報発信する時代に移行し始めた。とはいえ、全国紙新聞やテレビ放送はこれからも存在し続けるだろうが。
[情報交換量がとても少ない]
◎所が、ピラミッド型中央集権システム内では、システム間での情報交換量がとても少ない、しかも主に一方通行である。全国紙新聞やテレビ放送がそうであったように。
[情報も共有が一部に限定]
◎さらにそれらの乏しい情報も共有が極一部に限定される。その結果、創造性が低い。それが変化し続ける環境への対応が遅れる事態を生む。しかし、その事態は、トップの能力に強く左右される。
[素早い対応や独創的な体制]
◎ということで、たまに存在するダントツに能力ある創業者がいる一族経営のように、逆に素早い対応や独創的な体制が生まれる場合もある。しかし、それであっても、その組織が大きくなるにつれて、そのひずみ(少ない情報交換量と乏しい情報共有)が組織を崩壊させる。
[広い範囲に悪影響を及ぼす]
◎というのは、中央制御システムでは、情報が集中処理されるため、彼の判断ミスなどによって情報処理判断が悪ければ、それを正す者がいない(途中のチェック体制がない)ので、広い範囲に悪影響を及ぼす。
[個々人が自律的に行動]
◎それに対して、自律分散型では、個々人が、自律的に環境変化を感知し、情報を交換しながら自律的に行動する。なおかつ、一つのシステムという枠組みがあれば、統合を維持し、目的を達成する行動が取れる。
[被害は局部に留まる]
◎自律分散型ネットワークは、各自が自律的に動いているため、一人が判断ミスをしても、他への悪影響は少なく被害は局部に留めることができる。
[判断はおおむね正解に近い]
◎一人の判断が即決定ではなく、その判断の積み重ねが、集約されて、トップにたどり着く。 だから、判断はおおむね正解に近いものとなり得る、満点ではないにしても。
[交流(コミュニケーション)や協働(コラボレーション)]
◎人体がこの好例であるが、心臓や肺など各器官がネットワークで結びついて、さまざまなかたちの交流(コミュニケーション)や協働(コラボレーション)を活発に展開する。ここでは、トップとボトムは活発に情報交換がなされている。
[意志と本音]
◎人間で言えば、意志はトップダウンであり、本音はボトムアップである。本音だけでは社会生活が立ちゆかないが、意志だけで突き進むと、いずれ心が壊れてしまう。
[交流や協働を行う社会]
◎人類社会は、個々人が互いに平等の立場に立って、必要に応じて柔軟にお互いの役割を交代したり分担したりしながら、交流や協働を行う社会が高い民主主義実現段階であろう。その柔軟性の確保が難しい。政界では世襲がはびこる。
[地域エゴ]
◎しかしながら、民主主義の弱点は、広域で解決せねばならない課題(国家プロジェクトや百年の計)に対して、地域エゴなどによって阻まれたり、遅々として進まない事態に遭遇することだ。
[トップとボトムによる相互フィードバック]
◎やはり、そのような事態に対しては、選挙で選ばれたトップと個々の住民や地域(ボトム)によるキャッチボール(相互フィードバック)が必要である。
[日本の政治体制は中央集権型]
◎であるのに、日本の政治体制は、どちらかと言えば、いまだに中央集権型システムに近い。それ故に、今回のようなダム建設(近畿地方の大戸川ダム)や新幹線問題(負担金増額の押しつけ)が起こる。
[自律分散型ネットワークの道州制]
◎日本の新しい体制としては、自律分散型ネットワークを理想とする道州制の導入であろう。今の地方組織では、経済的な自律が難しい。それでもう少し、器(システム・組織)を大きくしないと、自律がかなわない。それが道州体制である。