真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

血縁、地縁、知縁

[前に書いたものの焼き直し]
◎実は、今日の話題は、ずいぶん前に書いたものの焼き直しである。「知縁」という言葉をどこかで使ったなと思い、自分のファイル内をデスクトップ検索をした。その時に出てきた文章がこれである。
[削除、補足、加筆]
◎それらの内で不要な部分を削除し、新しい部分を付け足したものがこの記事である。だから、引用文も数年前のものである。と言うことで、お読みいただければ幸いである(?)。
[家族主義、血縁主義]
◎日本にはやはりまだまだ家族主義、血縁主義という伝統が強く残っている、特に地方では。その結果、今でも多くは、親側から(親側の事情優先で)の養子縁組が成されている。
[日本の事情]
◎明治以降、"家"を社会秩序の中心に置く、家制度が全ての社会階層(上は国家から下は家族に至るまで)に広げられた。その観点から、多くは養子縁組も"家制度の維持"(家系存続)という目的から行われた。
[家中心から個人中心へ]
◎家制度維持という観点が大転換するのは、第二次大戦後の日本国憲法制定とその後の民法改正を見てからである。例えば、財産相続に、もはや家存続(家督相続)という視点はなくなった。家中心(優先)から個人中心(優先)へと大きく舵が切られた。
[家中心、男子中心]
◎これによって家事も折半(半切り)になった(我が家では)。とはいえ、いまだに、西洋から見れば、家中心であり、男子中心であることに変わりはない。
[ある養女の感想]
◎「ここアメリカでは、白人の女性にアジア人の子どもがいるなど、まったく違う人種の子どもを持つことは、社会的に受け入れられているようだ。また、彼女たちは堂々と[これが私の子どもよ]、と胸を張っている。日本でも早く同じような環境が出来ることを祈っている」、とある養女は感想を綴っている。
[家督相続]
◎先ほど述べた、「家存続(家督相続)」的な考えまで消えたわけではない。養子縁組も子どものことよりも、親の気持ちが大きく優先される。
[何によって縁を結ぶか]
◎所で、私たちは何によって、縁を結ぶのだろうか。血(親族など)のつながりを基準にする血縁。地域社会、住む土地によってつながる地縁。最近では、好み、趣味によるつながり知縁(はてなキーワードに四つの「チ縁」が記載されている)が盛んである。これを称して三ち(血地知)一体。
[職縁]
◎「職縁」は、同じ会社に就職した同僚関係、職場関係である。これは、地縁とも知縁とも部分的に重なる。昭和時代には、男はこの「職縁」が強かった。その結果、妻は、置いてきぼりを食わされて寂しい思いをしてきた。
[夫は濡れ落ち葉]
◎それが、夫の退職を境に離婚を突きつけられる。あるいは、それ以外に縁を作らなかった夫は途端に濡れ落ち葉と変化する。逆に、家事から退職した妻は外へと羽を伸ばしにゆく。
[終身雇用制度の崩壊]
◎それが、終身雇用制度の崩壊で、「職縁」は影が薄くなり、知縁が表舞台に躍り出た。特に、インターネットの普及によって、物理的地縁ではなく、同じサイトという地縁=知縁が盛んになってきた。
[血縁→地縁→知縁]
◎そのような知縁の代表例が、"SNS"(知によるコミュニティー)である。もう歴史を感じるが、職場でのもう一つの縁である、派閥や学閥など(しかしそこに血や地のにおいも漂う)も知縁であった。
[あなたは何階に住んでいますか]
◎このように見てくると、縁は層構造(階層構造)に成っている。血縁(1F)→地縁(2F)→知縁(3F)(同じ知識の共有)。所で、あなたはどの層で暮らしておられますか。それとももうすでに4Fにお住まいですか。生まれてから、血縁(1F)→地縁(2F)→知縁(3F)へとつきあう範囲が広がる。
[社会的ネットワークサービス]
◎「Mixi」などの「SNS」(インターネット上で構築する「社会的ネットワークサービス」)では、同好の士によるコミュニティーがすさまじい数で形成されている。といっても、昔は「ファンクラブ」という形で存在していた。それがネットに移植されたともいえるが。
[同心円的な集まり]
◎昔は(もちろん今も継続するが)、「お茶」や「お花」や「踊り」などの趣味を習うという形で「コミュニティー」が存在した。しかし、今の「SNS」と大きく違う点は、先生・講師を核として、そこに同心円的な集まりが作られていたということであろう。
[対等なつながり]
◎しかし、「SNS」は、習い事世界のような上下関係の世界ではなく、対等なつながりである。自然発生的な輪である。砂糖にありが群がるように、同じ趣味を核に人々が集う。
[対等なつながり世界が当たり前]
◎生まれたときから「SNS」があるという世代が世の中の中心に位置するようになれば、上下関係の世界ではなく、対等なつながり世界が当たり前という体制が築かれているかも知れない。
[時代の流れは自律分散システム]
◎ごく最近(2009/05/30)、このブログで「時代の流れは自律分散システム」という記事を書いた。そこで、「これから必要なことは、「地方分権、地方の自律(自立)」である」と述べた。
[企業(上司)に対する社員]
◎中央に対する地方、これを企業(上司)に対する社員と相似させると、「SNS」世代では、そこにおいても「上下関係」から「対等なつながり」へと移行するだろう。
[プロジェクト中心で動く]
◎それへの移行方式として、「プロジェクト中心で動く」「プロジェクトセンタード(project-centered)システム」に切り替えることだと感じる。つまり、職場においても、同じ趣味を核に人々が集うプロジェクト中心に移行するのではないか。
[職へと就つ]
◎つまり、会社に就職するのではなく、文字通りの「職」(能力)へと就つ。「SNS」がやるように、同好の士によるコミュニティーに所属する。この場合の同好は、「プロジェクト」であるが。
参考資料→「もう起業に会社はいらない,とサイボウズ創業者は言う」=from"ITpro"

シリコンバレーコンサルティング会社である米Blueshift Global Partners社長の渡辺千賀氏の話だ。「個人が組織に属さなくとも,世界から仕事を請け,製品を売るインフラが整ってきた」と渡辺氏は言う