真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

産業革命って、本当はこんな意味だったんだ!!!!!

私は、今日、「堺屋太一」氏の著書、「日本の盛衰」を読み終わった。この本は、日本人すべてに読んでほしいと思えたくらいすばらしい本だった。
この本の中で、「産業革命」について書かれていたが、それを読んで、私の知識は本当に表面的な浅いものだったと気付かされた。
なお、産業革命とは、「18世紀半ばから19世紀にかけて起こった工場制機械工業の導入による産業の変革と、それに伴う社会構造の変革」(fromWikipedia"産業革命")を意味する。
私は、「産業の変革」が根本的革命的変化だと思っていたが、堺屋氏は、「社会構造の変革」の方がそうだという。
産業革命までは、"労働者"と"労働場所"と"労働手段(道具)"は合体していたという。例えば、農民(労働者)は、家の近くの畑(労働場所)で自分の農具(労働手段)を使って農産物を作っていた。
ところが、産業革命によって、資本家が"労働場所"と"労働手段(道具)"を所有提供し、労働者は、単に"労働力(労働時間)"だけを提供する立場に立たされた。"生産物"も資本家に帰する。
このような、社会のさまざまな分野(職と住、教育手段、大家族、田舎と都会など)での分離・分解が、産業革命によってもたらされたという。
資本家は、利益を高めるために、自ら所有する"労働手段(道具)"を次々に技術革新していった。
規格大量生産を効率的に行うための、大型化、大量化、高速化を目指しての技術革新を押し進めた。これが近代工業社会だという。
日本は、特に戦後日本は、この近代工業社会に完璧なまでに適合する社会制度を作り上げてきた。
ところが、この適応し過ぎがあだとなった。師匠であったアメリカを追い越す所まで来てしまった。これが自らの首を絞める結果となった。
日本のキャッチアップによって、アメリカは衰退しはじめた。今、日本は同じことを中国や東南アジアから仕掛けられている。
そこで、アメリカは新しい時代を模索し、古い産業が衰退し、新しい産業(Microsoft, Apple, Google, Facebook, Amazonなど)が勃興することで、新時代を創り出した。堺屋氏は、それを「知価」社会と呼ぶ。
注)シリコンバレーは、「ソフトウェアやインターネット関連のハイテク企業が多数生まれ、IT企業の一大拠点となっている」
知価社会の特徴は、多様化、情報化、省資源化、である。世界の流れは、規格大量生産の近代工業社会から、知価社会へ、と方向転換し始めた。
もちろん、その方向へと向かっているのは、主に先進諸国であるが。発展途上国、中国、タイ、台湾、東南アジア、などは、急速に近代工業社会に変貌している最中である。
発展途上国群が、急速に近代工業社会に変貌しているが故に、日本が近代工業社会のままでは生き残りは困難であろう。
しかし、今の日本は、余りにも見事に近代工業社会に適応してしまったがゆえに、そこから抜けだせないでいる、近代工業社会という服を脱げないでいる、という。
マンガや文化は情報である。と考えると、日本もゆっくりと知価社会へ方向転換していると考えられる。
一時期、SOHO(Small Office, Home Office)やノマドなどが、多様化に適応するための仕事場と仕事方法として、注目された。
大企業では多様化に対応しにくい。多様化には、小型化がふさわしい。知価社会はこのように、労働、働き方をも変えつつある。
アウトソーシングの多様化である。アップル社が、そうであるように、自社では、商品、製品のごく一部だけを手がけ、多くを外注する。
参考)アップルの「植民地支配」が日本にもたらしたもの : ライフハッカー[日本版]
将来的には、これを、会社・企業の規模にかかわらず、行うようになる。その発注先が、外国だけでなく、ユニークな能力を持つ、個人的なSOHO(Small Office, Home Office)やノマドワーカーである。
これからは、この知価社会に合うように、社会、制度、人材、組織(会社)、教育、住居を変えていかねばならない。否、そうしなくとも、自ずと変わっていくだろう。変わらざるをえないだろう。
これからの日本は、労働者は、会社・企業に所属するのではなく、たとえ、会社・企業の中にあっても、自分の知識・技能・感性・才能を提供する職能人として働くことを意識すべきであろう。あたかも、会社内にSOHOを置くかのように。