真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

「なぜ国家は衰亡するのか」を読みながら考えたこと

私は不要になったスマホブックオフに売りに行った。その時、待ち時間が30分もあったので、仕方なく、店内をぶらついた。
参考)ブックオフでは、動くスマホは、最低3000円で買い取りするキャンペーンをしている。ケータイなんでも買取キャンペーン | 本を売るならBOOKOFF(ブックオフ)
そんな中で、ふと目についたのが、「なぜ国家は衰亡するのか」だった。それは、「中西輝政」氏の著者である。
参考)中西輝政氏は、日本の歴史学者国際政治学者。京都大学名誉教授。大阪観光大学特任教授。専門は国際政治史、文明史。保守系の論壇や政治活動でも知られる。NPO法人まほろば教育事業団会長。
最初は、全く本を買う気はなかった。もう本とはおさらばしたはずであった。もう5年ほどまともに本を読んでいなかった。
なのに、本を3冊も買ってしまった。気に入らなくても、読む気がしなかっても構わないという気にさせる値段だった。それらがいずれも105円の本だったので。
で、本題に入ると、その著書の、34ページに、歴史学者トインビーが使った、「ミメーシス」という言葉を紹介している。
私も名前だけはよく知っている、トインビーは、「誰もが取り扱うことができ、簡単に模倣ができるメカニズム」をミメーシスとよんだ。
その仕組を、中西氏は、「大多数の人が創造的な少数者の行為を忠実に模倣しそれを繰り返すことによってのみ、社会全体として意味ある生産活動につながりうる」と解説する。
実は、最初この部分を読んで、少し不愉快になった。でも、さまざまな事柄を考えてみると、当てはまるなと感じて、納得した。
創造的な少数者、対、大多数の人=リーダ、対、フォロワ=研究・開発・営業・企画、対、製造・生産=拡散思考、対、集中思考=意識、対、無意識=否定・疑問、対、肯定=改革、対、現状維持=革新、対、保守=非日常、対、日常=聖、対、俗=天才、対、凡人=手動、対、自動=変更、対、継続=政治家、対、有権者前頭前野、対、その他の脳部位。
私は、先程の部分を読んで、さまざまな事柄を考えるなかで、これは、個人内でも、企業内でも、国家内でも、世界内でも通用する原理だなと感じた。
産業革命後、学校が当たり前になったのは、多数の模倣者を生み出すためだったのだといえる。日本でも、それを効率よく遂行するために、一斉授業、暗記中心の受動的授業が行われてきたのが、納得できる。
でも、先進国になった日本が今だに大学でさえ旧態依然たる授業をしていたのでは、大多数のフォロワの量産になるだけである。
追記)日本は、世界全体の、創造的な少数者、の位置を確保しなければならない存在であろう。先進国とはそういう意味であろう。それを維持できなければ、衰退・没落が待っている。
この社会的仕組みによって、生産手段を持たない者も、生産側の一翼を担い、同時に消費者側にもなる。資本主義の到来である。
個人内では、創造的な少数者とは意識であり、大多数の人とは無意識である。新しい事柄を取り入れるのは、意識であり、それを繰り返すのは、無意識である。無意識は、良きフォロワである。
参考)最近の脳科学の研究では、顕在意識(意識)1に対して、潜在意識(無意識)20000だと言われています。引用from"コーチングを名古屋で学ぶならファイン・メンタルカラー研究所・コーチング研修"
国家内では、法律や政策に関しては、創造的な少数者とは政治家であり、大多数の人とは有権者である。今の政治家は全くその任務を果たしていない。
そして、グローバル化とは、目的遂行のために、組織(系列・国)内だけを意識するのではなく、世界全体を"水平的"に意識し眺めることである。
注)水平思考 from"Wikipedia"
少なくとも、もはや大企業であれば、世界全体を一つの組織内であるかのごとくに眺める視点を導入しなければ、他(特に海外)の企業とは太刀打ち出来ない環境にいる。
そして、自分達は、今どの環境にいるのか、どの環境で生き残ろうとしているのかを熟慮すべきである。さまざまな意味や面において、部分最適ではなく全体最適化を図らねばならない。
日本の家電業界が没落したのは、市場という面での環境を見誤ったからである。多機能、高性能ならば、高価格であっても、世界は喜んで買うだろうと。
また同時に、生産者という面(競争相手)での環境をも見誤ったからである。安い労働力による大量生産で価格競争を仕掛ける相手と同じ土俵で戦いを挑んだことである。
日本がかつて先進諸国に対して取った得意とした手法を、韓国や中国が取り入れて、日本に挑んできたのに、かつての先進諸国と同じ轍を日本が踏むのは余りにも情けない。
その間、改革が済んだ先進諸国だけが力強く生き残っている。だのに、日本は必要な改革に、全く手を付けずにいる。
参考)1)英国連立政権の医療改革―先進国が抱える迷走から一歩先に抜け出せるのか― | キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)、2)教育改革で「知識社会」へ転換:日経ビジネスオンライン
ただただ財政出動という一時しのぎのカンフル剤を打ち続けて延命を図っている。それを見ている諸外国が日本を見限り始めているのがまだわからないのだろうか。
先進諸国の仲間であるはずの日本が、そんな国々から周回遅れで走っている。日本の立ち位置を、世界という視野から、眺める意識の改革が、すべての分野において行われる必要がある。
これは日本が、決定において、西洋のようなトップダウン方式ではなく、ボトムアップ方式だからだとも言われている。民主的だが、決定に時間がかかりすぎ、無難な多数決(大多数の人)がことを決めてしまうからだとも。
注)プラトンは、それへの解決方法として、哲人政治(Wikipedia)、を考えついた。
いつまでも、ガラパゴスでは、半鎖国では、世界全体から見放される。もう、かなりの国が、日本をスルーしているのが見えないのだろうか。えっ、何?。シースルーだからだって。