真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

マイクロソフトとグーグルとその後に

[佐々木俊尚]
◎今日の記事は、"佐々木俊尚"氏の著書、"グーグルGoogle"を読んで触発されたものである。同著は、グーグルについて、具体例をたくさん盛り込んでとても理解しやすく書かれている。時代を読むためにも、是非とも読まれることをお勧めする。なお、同氏は前回のブログでも少し取り上げさせていただいた。
[マイクロソフト]
マイクロソフト(MS)は、ソフトを個別に(一台のパソコンに一パッケージずつ)有料販売する企業である。MSの成功は、まず、基本ソフト(Windows)で世界制覇を成し遂げた。特に"Windows95"(1995年発売)は大成功であった。これがMSの世界進出への分岐点であり、世界制覇の踏み台であった。
[基本ソフトと応用ソフト]
◎応用ソフト(例えば、ワードやオフィスなど)は、基本ソフトが無ければ動かない。だから、MSがやっているように抱き合わせ(プレインストールという形で)販売されると、競合ソフト(ワードに対する一太郎など)は壊滅的打撃を受ける。事実、一太郎はもはや死んだも同様である。"Atok"は生き残るかもしれないが。私も、もう数年来、余り使わなくなった。
[パソコンソフト界で覇者]
◎そのようにして、MSはパソコンソフト界で覇者(天下を掌握する者)となった。まず、基本ソフトで、その後そこに乗っかる応用ソフトで。もはやMSの後に続く者はないかに思えた。しかし、永遠はない。
[グーグルが誕生]
◎MSは今や真上に輝いた太陽ではなくなり、海の向こうに沈みかけている。その理由は、グーグルが誕生(1998年)したからだ。Googleはソフトを無料で使わせる。まさに大盤振る舞いである。有料が無料に勝てるわけがない、信頼という裏付けがあれば。
[ブラウザさえあれば]
◎もはやブラウザさえあれば、基本ソフトすら、ほとんどいらなくなりつつある。"Ajax"は、ユーザがキー操作する間にバックグラウンド(背後)で動作することでリアルタイム(即時)に表示を返す(再読込不要)。だから、パソコン内蔵のソフトを使うのと余り差異は感じられなくなった。
[ネットに置きっ放し]
◎だから、応用ソフトも情報も資料もすべて、パソコンの向こうにあるネットに置きっ放しに出来る。いまや個人レベルだけでなく、企業レベルにおいても、同様の現象が起きつつある。ソフトを特注で購入するのではなく、世界基準のソフトを料金を払ってネット越しに使う。これによってバージョンアップの費用と時間が不必要になる。料金を払うとその日から最新版を使える。
[同じ作業が可能]
◎ネット内に置くことは、さらによいことに、他のパソコン(自宅と職場と)からでも、何も持ち歩かずに、同じ作業が可能となった。職場でした作業の続きを自宅ですぐに取りかかれる。携帯メモリーを持ち歩く手間が不必要になった。
[協同作業と共有]
◎また、さらにさらによいことに、ネット内に置くことで、同じ情報と資料とを元に協同作業も出来るし、共有も簡単にできる。つまり、時間も場所も人(自分限定のタガ)も選ばなくなった。地震が来ようとも、火事になろうとも、会社が倒れようとも、情報も資料も無事である。これは"BCP"(事業継続計画)対策にもなる。今やこれは優良企業の証明書である。
[よいパソコンは不要]
◎ネット内に置くことは、もはや性能のよいパソコンを買うことすら要らなくなったいうことでもある。これはパソコン製造企業にとっても、ソフト製造企業にとっても脅威である。また、周辺機器製造企業にとっても同様だろう。
[パソコンの日用品化]
◎そうなれば、パソコンはますます日用品化に拍車がかかる。世界中で、一家に一台から、一人一人に一台ずつの時代になる。全員に一台ずつが普及すれば、つまり、需要が一巡すれば、日本ではもうすぐにパソコンが二〜三万円の時代が来るだろう。グーグルは発展途上国の子ども達に一万円のパソコンを無料で配る計画を立てている。
[一人二台]
◎ほとんどすべてをネット内に置くようになれば、一人二台(自宅用と外出用と)の時代になるだろうけれども。というのは、同期させる手間を必要としないのだから。意外に同期は手間がかかるし、ややこしいし、不安でもある。
[定額制でレンタル]
◎そうなれば、今まで買っていたソフトや音楽や映像は、定額制でレンタルするようになるだろう。もうその足音は着実に近づいている。ナップスターはその先端を走っている。同社はそれで再スタートを切ろうとしている。
[無料で客を集める]
◎今、グーグルは無料で使わせることの代償(?)に広告を挿入している。無料で客を集めてそこに広告を打つという方式である。また、検索をすると、広告が添付されるし、"AdSense"に申し込むと、ブログを書くとページに広告が自動的に挿入される。
[最適な広告・情報を送り届ける]
◎では、グーグルのこの方式はその先どうなるのだろうか。今もう始まっているのは、個人の履歴や好みの情報を集めて、その個人に最適な広告や情報を送り届けるという方式である。それまでは、個人が情報を求めて検索をして、そこに(検索)結果を提示するという方式だった。
[自宅まで配達]
◎つまり、さまざまなモノを自宅まで配達してくれるようになる。さらに、注文しなくても、個人の行動パターンを読んで最適なものを送り届けてくれる。これが次の方式だろう。もうある程度動き出しているが。しかしまだ、それが主流となるまでには至っていない。
[中央集権から地方分散へ]
◎時代は一律から個性化へ、中央集権から地方分散へと邁進している。大企業(トールヘッド)を頂点とするピラミッド的階層構造から、個人や中小零細企業も横並び出来る、かなりフラットな構造へと雪崩を打って崩れ始めている。
[堅い序列が崩壊]
◎もちろん、個人や中小零細企業も大企業と横並びになるためには、独創性、アイディア、能力で勝負に打って出なければならないが。しかし、昔のような堅い序列が崩れて実力・能力を持つ者が努力することによって報われる時代に近づきつつある。
[実力主義の時代が到来]
◎しかし、その条件として、ネットの海でうまく泳いでゆく知識と才能が要求される。いよいよ本格的に実力主義の時代が到来しましたよ。準備は出来ていますか。