真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

現状維持と現状打破

[報道の画一性]
◎もう過去の話になって恐縮だが、ホリエモン事件に関して、報道はホリエモンをあれこれ高く持ち上げた後、一斉に手を離して彼を地面にたたき落とした。胴上げの後一斉に手を引いたかのように。この報道の画一性には本当に驚く。テレビが視聴率最優先するのと同じ構図だろうか。
[切り込みが浅すぎる]
◎これは速報性を最優先する報道のあり方からして致し方ないのかもしれないが、もっともっと時間をかけて腑分けしてゆくべきであろう。報道の早さを競うあまり、切り込みがあまりにも浅すぎる。それ故に、どこもかしこも同じ図柄になってしまう。
[現状維持と現状打破の対立軸]
◎私はそれに関して、以前にブログ内で[対社会](多面的視点から見よう)という軸で話を進めた。今回は、今のままを続けようという[現状維持]と、このままではやばいのじゃないかという[現状打破]という対立軸を中心としてホリエモンを考えてみた。
[新しい道を切り開く]
ホリエモンはスターであった。新しい道を切り開くのではないかという期待を背景にして。インターネットでポータルサイトを開設する者にとっては、コンテンツの貧しさは目を覆いたくなる現状であろう。ネット世界では自力でコンテンツを創造するのは容易ではない。それ故、既存の資産をねらい打ちする。
[権利関係の煩雑さ、複雑な絡み]
◎だがしかし、既存の資産には、権利関係の煩雑さ、複雑な絡みがある。それを解きほぐすのは骨の折れる根気のいる作業を要求する。[新聞とかテレビとかを殺していく]とは情報・既存資産をすべてインターネットに流し込むという意味であろう。それには権利保持者の了解がいる。
[現状維持と現状打破との戦い]
◎そのような[煩雑さ、複雑な絡み]に対して切り込んで、新しい枠組みを構築するのではないかという期待があった。これを敷延すると、現状維持(保守)と現状打破(革新)との戦いといえる。ここに若い世代、現状に不満を持つ人々の共感を引き寄せた。
[アップルは、iPodをひっさげて日本に上陸]
◎話題を変えるが、アップルは、iPodをひっさげて日本に上陸した。そのデザインの素晴らしさと同時に、安い値段で曲をダウンロードできるという魅力が受けて、たちまち爆発的に売れたし、曲がすさまじい勢いでダウンロードされた。それを見た日本勢も対抗上、曲の値段を引き下げた。
[アップルは音楽業界への黒船]
◎ このようにして、アップルが音楽業界の現状維持を打ち崩した。日本という狭い枠の中で通用した論理も世界相手では通じなかったということである。ホリエモンが金の力でやろうとしたことを、アップルは技術とアイデアで達成した。そういう点では、アップルは音楽業界への黒船である。
[未来を展望する政策立案]
◎政府は新しい時代にふさわしい新しい枠組みを提供する義務がある、成長を促したいのであれば。現在の権利を守ろうとする側(現状維持派)に立つか、新しい枠組みを構築する側(現状打破派)に立つか。政府には未来を展望する政策立案の義務がある。軸足をどちらに置くか。
[国民が何を期待したの]
◎[自民党をぶっつぶす]、[改革を前に]と言うのはそういう意味ではなかったのか。その言葉に乗ってみようとしたのが国民である。それを肝に命じるべきであろう。国民が何を期待したのか汲み取るべきである。期待の持てる相手には乗ってみようとするのが、無党派層である。宮崎県知事や、滋賀県知事の例を見よ。長野県知事のように、だめだと思えば、途中下車するが。
[政府の後押し]
◎ 日本には、ビルゲイツのような世界的長者が生まれ出ていない。ビルゲイツがあそこまで大きく成れたのは、アメリカ政府(と陰ながらの日本政府)の後押しがあったからであろう。しかし日本では足の引っ張りがあったとしても、政府が赤じゅうたんを敷き広げて応援することはない。しかし、安倍外交は少し趣が変わってきたかなという期待を抱かせるが。
[政府と企業が二人三脚で動いている]
◎ とはいっても、アメリカでは政府筋が余りにも露骨に企業の後押しをし過ぎる。今回のアメリカ産牛肉事件もそれが一因である。特に大統領は、権力維持のために多大の支援と資金を得る目的から仕方ないのかもしれないかけれども。政府と企業が二人三脚で動いているように見える。あそこまでは期待しないが、ある程度の側面支援も必要になる。