真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

自然からのしっぺ返し

[子どもたちの将来に激しい不安が襲う]
NHKが2006年に二日間(2/18と2/19)に渡って、[NHKスペシャル-気象大異変]を放送していた。私は二日とも見たが、あの番組を見ると、将来、特に子どもたちの将来に激しい不安が襲って来た。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/060218.html
NHKスペシャル|二夜連続シリーズ 気候大異変
第1回 異常気象 地球シミュレータの警告


去年、米国史上最悪の被害をもたらした巨大ハリケーンカトリーナ地球温暖化が原因ではないかと考えられている。将来、温暖化は人類に何をもたらすのか。世界屈指の計算速度を誇る日本のスーパーコンピューター地球シミュレータ」は、私たちの未来に横たわる危機を子細に予測している。百年後、世界のCO2濃度は倍増し、気温は最大4.2 度上昇する。東京は奄美大島付近の気温になり、真夏日の日数は100日以上に増加。正月は紅葉の真っ盛り・・・。気温の上昇は世界中で熱波による死者の増加という突然の災害をもたらす。一昨年、ヨーロッパに3万人を超える死者をもたらした熱波は、まさにその予兆だったと考えられている。さらに温暖化は、極端な気象災害をもたらす。台風やハリケーンなどの熱帯低気圧は巨大化する。カトリーナ級の台風が本州を襲い、暴風による被害が激増。

[世界各地で災害を引き起す気温上昇]
◎気温の上昇による地球全体の変貌(砂漠化と大洪水という両極端化)。しかもそれが原因で現実に今世界各地で災害を引き起こしている。このような環境破壊が私たちに打ち返してくるしっぺ返し。それがごく最近大きな悲劇として現れた。
[フィリピンのレイテ島で発生した大規模な地滑り]
◎それは2006年2月17日にフィリピンのレイテ島で発生した大規模な地滑りである。直接の原因は大雨、長雨であるが、森林の違法伐採によって大規模化したとも考えられている。同国ではすでにこの30年間で森林の53%が消滅しているといわれている。
[今までに大きな土砂災害が幾度も発生]
環境保護団体である、グリーンピースは、森林伐採が自然災害を誘発すると知りながらもそれを放置していたとしてフィリピン政府を非難している。今回の悲劇は初めてではなく、すでに今までに大きな土砂災害が幾度も発生していると報じられている。
[森林は、水の一時貯蔵庫]
◎ 森林は、豊かな自然をもたらすが、水の一時貯蔵庫(巨大水がめ)の役目を担っている。一時に鉄砲水となって流れ出るという事態を防ぐ役割を担っている。ゆっくり流れ出る水は豊かな実りをもたらしてくれる。しかしその役割をもはや担えていないことをこれらの災害が身をもって示している。日本もこれに関して他人事ではない。
[地球温暖化を食い止めてくれる森林]
◎森林の役割は他にもある。二酸化炭素(CO2)の吸収と酸素の排出である。二酸化炭素は[温室効果]という地球温暖化(気温の上昇)をもたらす。なければないで困るが、多すぎれば地球破壊をもたらす。それを食い止めてくれるのが森林である。
[森林の保護育成は世界的課題]
◎それ故に、森林の保護育成は世界的課題である。特に大量消費する先進国は。だからそういう面でも、違法な森林伐採は単にフィリピン政府だけの責任とはいえないだろう。また、一国で解決できる問題でもない。世界全体の、森林の保護育成活動が期待される。
[木材消費国の責任も]
◎もちろん、森林伐採は木材の買い手がいるから行われるのである。人口増加による食料生産のため、森林から畑への転換も大きい比重を占めるが。今世界での大量木材輸入国は、一位アメリカ、二位中国、三位日本の順位になっている。
[地球全体にとってという視点を最優先]
◎これらの買い手にも道義的責任があるだろう。もはや現代は自国の利益だけで判断する段階はすでにとっくに通り過ぎてしまっている。[地球全体にとって]という視点を最優先すべき時期に来ている。地球の生き残りのために、地球が重体に陥る前に。
[安全は後回しにされてきた]
◎ 今回の災害(人災の要因が非常に大きいが)では、死者と行方不明者を合わせると、2000人に達するだろうと見られている。日本でもそうだったが、発展途上国では産業発展のために、特に企業の発展のために、安全は後回しにされてきた。その犠牲者はいつも弱い立場の人々である。
[アスベスト問題も大きなしっぺ返しとして表面化]
◎ 日本でもいまだに安全軽視、人命軽視が大きな社会問題になっている、石綿(アスベスト)問題も、人命よりも利益(企業の利益)が優先されたツケが、今大きなしっぺ返しとして表面化している。このような人命よりも利益優先が図られたのは、日本もまだまだ成熟社会とはいえない状況、心理状態にあるといえよう。