真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

小泉前首相靖国神社参拝に思う

[終戦記念日小泉首相靖国神社参拝]
◎去年(2006/8/15)と今年(2007/8/15)と、終戦記念日に、小泉(前)首相が靖国神社参拝された。それについて思うことを述べたい。
[事前に宣言がある以上個人の問題ではない]
靖国神社参拝は心の問題と小泉(前)首相はいう。心の問題(内心の自由)とは個人的な問題だという意味だろう。しかし国民の前で事前に宣言している(あたかも公約のように)のだから、もはや単に首相個人の心の問題ではない。(元・前・現)首相がメディアの前で言ったら、それはもう個人の問題ではない。はっきり公人の資格だと受け取られている。
[本当に個人の問題なら反対ではない]
◎私は本当に個人の問題として行ったなら反対ではない(反対する理由がない)が、事前に宣言して行っているので反対である。隠密裏に行って事後報告にしてほしかった、本当に心の問題として考えているなら。
[政教不分離]
◎さらに他にも反対の理由がいくつかある。まず政教分離という面での不愉快さ。日本は大半が仏教徒(形式的にであったとしても)である。一神社が国のレベルに格上げされたかのようにさまざまな方面で取り扱われている。神社もそれをうまく使い分けている、国レベルと一宗教法人レベルと。
[哀悼の意と感謝の念とを捧げる施設を]
終戦記念日に国民全体が違和感なく、哀悼の意と感謝の念とを捧げる施設であってほしい。私自身は靖国神社に参拝する気は毛頭ない。行ったとしても単なる観光気分になってしまう、私にとっては。私の家族や親戚もこの戦争で亡くなっている。彼らはそこに祀られてはいない。国会議員なら、戦争で死亡した国民全員に対して同等に哀悼の意を表してほしい。軍人だからとの特別視は不愉快である。
[祀られて人々が問題]
◎反対のもう一つの理由は、まつられている人々に関係がある。A級戦犯が一緒に祀られているということだけではない。これは以前に私のブログで書いた("靖国神社参拝と年金")が、年金問題とも関連する。
[家庭は夫婦が対等の立場で築き上げる]
◎つまり、未だ年金は夫婦の共同作業に対する正当な支給にはなっていない。支給対象が勤務者(夫婦の場合主に夫)に限定されているのだ。家庭は夫婦が対等の立場で築き上げるものだ。年金の考え方もそうあるべきだ。そしてそれが完全に叶うようになってほしい。いまだに、法律上夫婦は対等ではない。
[戦争で死んだのは軍人だけではない]
◎戦争についてもそうである。戦地に赴いたものだけが国に国民に讃えられるのはおかしい。銃後の守り。国全体が戦争に参加したのではないか。戦争で死んだのは軍人だけではない。靖国神社にはほとんど戦地での戦死者だと聞かされている。空襲で亡くなった方々全員が戦死者である。靖国神社に祀られても良いのではないか。
[一神社が国家レベルの扱いは不愉快]
◎それができないのであれば、国のために亡くなられた人々を全員分け隔てなく讃える施設がほしい。一神社がこのように国家レベルの扱いは不愉快である。さらに国が一神社に左右されるのはもっと不愉快である。そこはアメリカの要人にさえ拒まれている宗教施設である。
[戦争へと突き進ませた責任者]
◎それとA級戦犯はやはり国家を戦争へと突き進ませた責任者と捉えられている、少なくとも外国からは。例えば、飛行機事故で犠牲者が出れば、その会社の責任者は責任を取るべきである。会社の一員であっても、従業員の全員まで責任を取るというのは行き過ぎだろう。
[名誉回復を国際社会に向かって訴えよ]
◎そしてその責任は会社が勝手に決めることではない。それと同じように、A級戦犯は国際的に責任者と見なされている。彼らに責任がないというならば、名誉回復を国際社会に向かって訴えて、法的に、準法的に回復措置を受けるべきである。
[犯罪者とその被害者とが合同埋葬と同じ]
◎これは極端に言えば、同じ墓に犯罪者とその被害者とが合同埋葬されているようなものである。有罪の判決を受ければ、無罪を勝ち取るまでは被害者感情として受け入れられないだろう。
[戦争の犠牲者全員を慰霊する施設]
◎このようなさまざまな理由から、国家レベルの、宗教から独立した慰霊施設をつくるべきだと考える。千鳥ヶ淵はそういう面では不十分である。そこでなら、各個人が自分の家族や祖先なども慰霊する気持ちになれるのではないか。軍人だけではなく、戦争の犠牲者全員を慰霊する施設は民主主義的発想からも自然なのではないか。
[全員が戦争の犠牲者]
◎戦争のために、恋人と別れ、自分の夢を断たれ、家を焼かれ、飢え死にし、仕事を追われ、家族を失い、不治の病を受けた人々全員が戦争の犠牲者である。国家はそれに思いを致すべきである、単に軍人に対してだけでなく。国会議員はそれについてどう考えているのだろうか。
参考資料⇒「民間人の空襲補償を 20団体が全国組織:」=from"東京新聞(TOKYO Web)"
[安らかに眠られんことを乞い願う]
◎戦争のために日本全国で血の涙された方々が安らかに眠られんことを乞い願う、合掌。