真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

体罰と脳の関係、人間は人間になる潜在的可能性を持つ

[体罰認める?]
◎橋下大阪府知事が、府民討論会「大阪の教育を考える」で体罰を認めるような発言をした。
参考資料→「橋下・大阪府知事:討論会で体罰認める?発言 「聞かない子には」」=From"毎日jp(毎日新聞)"
[教育的名目の身体刑]
◎所で、「体罰」(fromWikipedia)とは何だろうか。それは、「相手に対し、教育的な名目を持って、身体刑を加える」ことである。
[体罰で脳(前頭葉)が萎縮]
◎しかし、繰り返された体罰で、脳(前頭葉)が萎縮した事例についての日本とアメリカとの共同研究発表がごく最近あった。その内容を「長期体罰の子、脳が萎縮 熊本大准教授が共同研究 - サイエンス」=From"asahi.com朝日新聞社)"から抜粋引用する。

子どものころ長期にわたり強い体罰を受けた人は、受けていない人より脳の前頭葉の一部が最大で約19%縮んでいるという研究結果を、熊本大大学院医学薬学研究部の友田明美准教授(小児発達社会学)が米ハーバード大医学部との共同研究でまとめた。
研究は米国で、4〜15歳のころに平手打ちされたり、むちで尻をたたかれたりするなどの体罰を年12回以上、3年以上にわたって受けた米国人の男女23人を対象に実施。
感情や意欲の動きにかかわる前頭前野内側部が平均19.1%、集中力や注意力にかかわる前帯状回が16.9%、認知機能にかかわる前頭前野背外側部が14.5%小さかった。
体罰でストレス下に置かれた脳が、前頭葉の発達を止めた
[衝動を抑制する能力]
◎で、前頭葉の前部である「前頭前皮質」(fromWikipedia)とは、
現在の行動によってどのような未来の結果が生じるかを決定する能力、確定したゴールへの行動、成果の予測、行動に基づく期待、社会的な"コントロール" (もし行ってしまったら、社会的に容認できないような結果を引き起こすような衝動を抑制する能力)に関係している。
[8年間娘を軟禁]
◎また、「小6から8年間、娘を軟禁」=From"YOMIURI ONLINE(読売新聞)"したという事件が明るみに出た。
長女(21)を小学校6年生から19歳まで約8年間にわたって自宅で「軟禁」していたことがわかった。長女は2006年に保護されたが、長期間、自宅から出なかった影響で精神的な障害があり、ほとんど自力で動けず、会話などが十分にできない状態だったという。長女は06年12月から知的障害者更生施設に入所。現在は日常会話ができる程度には回復しているという。
知的障害と認定されたため、現在は北海道内の福祉施設で治療を受けながら、小学校1年用の教科書を使って勉強している
小学2年までの学力は平均レベルだったため、長期間の監禁状態が障害の原因になったとみられている。
[人間になる潜在的可能性]
「アヴェロンの野生児」(fromWikipedia)が示すように、人間は、「人間になる潜在的可能性」を持って生まれてくる。
[ターザン]
◎日本でもとても有名になったが、密林のジャングルに置き去りにされた赤ん坊(ターザン)を助けた雌ゴリラによって大切に育てまれる架空の物語がある。
[瓜の蔓になすびはならぬ]
◎しかし、実際には、ゴリラに育てられた人間は、ゴリラ以上には成り得ない。人間になる潜在的可能性は人間によって開花させられねばならない。同等のレベルを持った者に教育されなければ、開花しない。
[氏より育ち]
◎「氏より育ち」というが、氏(潜在的可能性)があっても、それを育てなければ開花しない。「玉磨かざれば光なし」である。というのは、大脳皮質は白紙で生まれてくるからだ。
[新しい環境にも適応]
◎白紙であるという利点によって、今までに経験してこなかった、新しい環境にも適応する能力がとても広がる。どんな厳しい環境でも人間はどんどん生存可能になってきた。
[利用可能な能力が低い少ない]
◎しかし、白紙であることによって、生まれつきの利用可能な能力が低い少ないことを意味する。教育しなければならないのだ。その白紙の大脳皮質に情報・体験を日々注ぎ込むことによって、人間独特のさまざまな能力が開花してくる。
[教育はとてつもなく重要な要件]
◎という意味で、子どもの養育にとって、教育はとてつもなく重要な要件である。それなのに、余りにも余りにも教育がお粗末すぎるのではないか。だから、今のところ期待できるのは、家庭内の特殊教育であろう。