真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

4府県知事、大戸川ダムの白紙撤回要求

[大戸川ダムの白紙撤回要求]
Googleニュース(2008/11/09)に、「淀川水系3府県知事、大戸川ダムの白紙撤回要求へ 」=From"関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)"という記事が載った。
[3府県知事]
◎3府県知事とは、滋賀県嘉田由紀子京都府山田啓二大阪府橋下徹知事のことである。
[国は道路整備費用負担できないと脅し]
国土交通省近畿地方整備局は、知事たちのそのような意向に対して、ダム建設を計画案から外した場合、建設に伴う道路などの整備費用について「負担できない」などと脅しとも取れる発言をしている。
[理由を吟味し対応を考える]
◎他方では、整備局は「まだ連絡を受けていないが、知事の意見は重く、尊重したい。正式に意見をもらってから、なぜ反対されているかの理由を吟味し、対応を考えていきたい」とも述べる。
[多目的ダムの建設として始まる]
◎大戸川ダムの建設について概略する。この事業は、古く1978年(今から30年前)に多目的ダムの建設として始まった。
参考資料→「大戸川ダム」(fromWikipedia)
[諮問機関が建設しないと提言]
◎所が、近畿地方整備局長の諮問機関である「淀川水系流域委員会」が、2003年(5年前)に「原則建設しない」と提言をまとめた。
[建設中止を表明から建設推進へ]
◎それを受けて、整備局は05年にいったん建設中止を表明した。が、2007/8月には、多目的ダムから治水用ダムへと目的を変更して改めて建設推進にへと転じた。
[総事業費1080億円]
◎その結果、今年(2008)6月には、建設計画を河川整備計画案に盛り込んで、総事業費1080億円の内、600億円がすでに支出されている。
[大阪府が230億円]
◎地元負担に関しては、大阪府が230億円、京都府135億円、滋賀県14億円の提示を国土交通省から一方的に受けている。
[他ダム建設の容認]
◎ダムの白紙撤回要求とはいっても、国からのダム建設の提示に何から何まで反対するのではない。事実、今回でも、丹生(滋賀県余呉町)、天ヶ瀬再開発(京都府宇治市)、川上の3ダムについては容認するとしている。
[中央集権的態度を改めよ]
◎要は、地方の経済的な実情や地域が進める行政的な意向とは無関係に、国から一方的に提示される、中央集権的態度を改めてもらうことをねらっている。
[熊本県知事がダムの白紙撤回]
◎ダム建設といえば、近畿地方の知事のダム建設撤回要求よりも前に、熊本県蒲島郁夫知事が今年9月に川辺川ダムの白紙撤回を求めて、ダム建設に反対した。
参考資料→「揺らぐダム:国交相「地域住民も参加を」 川辺川、国・県の治水策協議に/熊本」=From"毎日jp(毎日新聞)"
[代替案に近畿地整が反論]
「:京都府の大戸川ダム代替案に近畿地整が反論」(=From"asahi.com:朝日新聞社)"に対して、大阪府橋下徹知事も10日午前、「選挙で住民の負託を受けた僕ら3人の知事がきちんと意見を出す前に役所が意見を出すなんてバカげている」と批判していた。
[三重県の知事も加わった]
◎この3府県知事による声明に対して、今度は三重県の知事も加わった。「4知事「地方が結束」…大戸川ダム撤回要求 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」は、大戸川ダム(大津市)建設を巡り、三重、滋賀、京都、大阪の4府県は11日、国に計画の白紙撤回を突きつけた、と述べる。
[利害を乗り越え一致]
◎「脱ダム」を掲げて当選した嘉田知事と、専門家検討会から「緊急性は低い」との報告を受けた山田知事、過度な財政負担を減らしたい橋下知事が対立する利害を乗り越え一致した。
参考資料→4知事、大戸川ダム中止要求 国、計画の見直し必至
参考資料→「ダム見直しに検討チーム、国交相が表明…相次ぐ反対意見受け : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)」
[結束の意味は極めて大きい]
◎この知事たちの今回の結束の意味は極めて大きいものがある。今までは、都道府県が個別に国に対処していたことを、国に向けて団結・連帯してモノを言うようになったのであるから。
参考資料→(私のブログ)「地方の乱が始まった」
参考資料→(私のブログ)「市町村合併から道州制へ」
参考資料→(私のブログ)「関西広域連合と関西州」
参考資料→(私のブログ)「道州制移行が現実味を帯びて来た」
参考資料→(私のブログ)「全国統一の呪縛はいつまで続く」
[地方と中央とが対等に意見を戦わせる]
◎これは地方と中央とが対等に意見を戦わせる前例を作ったということであり、国を左右させる発言をしたということであり、また、道州制という新しい制度への大きな足がかりを築きつつあることを意味する。
[道州制基本法案、提出前倒し方針]
◎このような動きに対して、「道州制:基本法案、提出前倒し方針−−自民推進本部」=From"毎日jp(毎日新聞)"という記事にあるように、道州制に向けていよいよ本気で、取り組み姿勢が見られるようになった。理論から実現へと新しい段階は入った。
[国民の気持ちがうまく流れる仕組み]
◎国は、治水と同時に、国民の気持ちがうまく流れる仕組みを建設しないと、水は反乱を起こして、国土を荒らす結果となるのを覚悟しなければならないだろう。