真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

脳(特に前頭連合野)と自民党と民主党の政治

[脳と政治の対比]
◎今毎日、脳に関する本を読み進めている。脳についての知識を読んでいると、政治のことが思い浮かんだ。ということで、脳と政治の対比を述べてみたい。
[三権分立]
◎政治と言えば、(「権力分立」)(fromWikipedia)「三権分立」という言葉がある。つまり、国家の権力は、立法、行政、司法の三権に分けられるということである。
[日本の政治体制]
◎日本の政治体制では、「立法」は国会議員(内閣も可能)が担当し、「行政」は内閣(政府)が担い、「司法」は国会とは無関係に裁判所が担う。
[立法も行政も独占]
◎と見て来ると、「立法」も「行政」もひっくるめて、国会が担うということになる。しかも、日本では、国会で多数を占める政権与党が、実質的に、「立法」も「行政」も独占できてしまう。もちろん、必ずそうなるというわけではないが。
[多数、過半数を強く意識]
◎ということで、自民党では、特に田中角栄元首相は、多数、過半数をとても強く意識した。過半数を取れば、好きなことができてしまうからだ。「過半数至上命令」となった感がある。
[好き勝手ができたのは]
自民党があれほど好き勝手ができたのは、「立法」と「行政」の独占ができたからだろう。しかも、票を手に入れるために、国家予算をうまく使ってきた。
[循環が切れない]
過半数確保によって(のために)、国家予算をうまく使う⇒票を手に入れる⇒自民党の好き勝手ができる、という循環が切れなかった。
[切る伏線]
◎それを切る伏線になったのは、「バブルの崩壊」である。これによって、国家予算が減り始めた。国家が傾き始めた。
[循環が逆回転]
◎そうなれば、先ほどの循環が逆回転し始めた。つまり、好循環が悪循環へと切り替わった。国家予算減少⇒票の減少⇒好き勝手ができない。金の切れ目が縁の切れ目である。
[三権を脳に当てはめる]
◎話を脳へ戻す。この三権を脳に当てはめるとどうなるのだろうか。立法と司法は前頭連合野が担う。行政は前頭葉運動野が担う。
[前頭葉が独占]
◎となれば、脳では、なんと、立法、行政、司法の三権ともに前頭葉が独占している。自然は人間を作り損ねたのだろうか。
[人間に極端な歪みが多発]
◎動物にはほとんどないが、人間には極端な歪みが多発するのは、この前頭葉による独占・独裁の結果であろう。前頭葉は良いこともするが、悪いこともする。
[人脳は三分]
◎もう少し人間の脳を見てゆく。人脳は、感覚情報などの入力部分と、運動としての出力部分(前頭葉の運動野と、その下位に属する脳幹、小脳など)と、入力部分と出力部分の中間の思考部分(前頭連合野)とに、三分できる。
[三権とは異なる]
◎しかし、脳の三分割(情報の入力、判断、出力)は、立法(ルール作成)、行政(ルール実行)、司法(ルール判定)の三権とは幾分異なっている。でも大きく異なるわけではない。
[不慣な行動は前頭葉運動野が関与]
◎運動出力について見てゆく。運動の内でも、慣れない行動は、前頭葉運動野が関わる。政治世界でいえば、立法に近い。
[慣れた事柄は下位階層が受け持つ]
◎が、繰り返しによって慣れた事柄・習慣化された事柄は自動化されて、脳幹、小脳などの下位階層が受け持つ。政治世界でいえば、行政(官僚主導)である。
[自民党政治]
自民党政治は、慣れた習慣化され自動化され事柄をやり続けてきたので、前頭葉(政治家主導)の出番はなくてもうまく仕事が進んでいった。
[自動化事柄は脳幹小脳が担当]
◎ということで、習慣化され自動化され事柄は脳幹小脳(官僚主導)で行われてきた。官僚は、立法(ルール作成)もほぼ全面的に請け負った。
[前頭連合野]
◎中間の思考部分(前頭連合野)は、できるだけ広い視野、できるだけたくさんの情報を集めないと、最良の最適の判断とはならない。しかし、官僚は自分の省の情報しか持たない。
[シミュレーションして最適最高の判断]
◎前頭連合野は、五感を通して受容野(入力)に入って来た情報を元にシミュレーションをして、最適最高の判断を下すことが求められている。
[国民からは遊離した政治]
◎だのに、バブル崩壊後の自民党政治は、受容野(入力)に情報(国民の事実情報)を集めようともしなかった。結果、国民からは遊離した政治を行い続けた。
[脳幹小脳(官僚主導)に任せっきり]
◎それは、前頭連合野による最適最高の判断を下すこともなく、自動運動機能を持つ脳幹小脳(官僚主導)に任せっきりであったからだ。
[前頭連合野がずば抜けて発達]
民主党は、政治家主導(前頭連合野)による政治を目指している。人間が動物と大きく異なるのは、前頭葉、特に前頭連合野がずば抜けて発達していることである。
[前頭連合野は時を支配]
◎前頭連合野は、時を支配する。物事を時系列(作業手順)に並べ、優先順位(処理する順番)に並べる。それには、未来を常に視野に入れておかねばならない。
[目標設定が前頭連合野の役目]
◎並べるためには、目的・目標(未来に実現すべき事柄)がなければならない。その目標を定めるのが、前頭連合野(政治家主導)である。
[自民党には外交はなかった]
自民党は、民主党の弱点が外交だという。しかし、自民党には外交はなかった。自民党の外交は、アメリカの盲目的追従だけだったからである。米国の後追い外交だけであった。それは外交とは呼べないだろう。
[自主・自立外交をして欲しい]
◎日本は、そろそろ本格的に外交政治をすべき時期である。そういう点で、鳩山政権の外交が楽しみである。どんどん外国に出かけて、前頭連合野による自主・自立外交をして欲しいものである。