真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

トヨタは、自動車コーディネータになってゆく

ニュースで、「車大手がシリコンバレーに集結 進むIT化、人材争奪戦へ」from"2015/5/12 1:30日本経済新聞電子版"、という記事に目が止まった。
ということで、今日のテーマは、「トヨタは、自動車コーディネータになってゆくのだろうか」、ということで述べたい。
昔のように、車製造業は、車の知識を持っていればよかったという時代は、もうとっくに、過ぎ去ってしまった。日本経済新聞電子版の記事はそう語っているように思える。
「コーディネート」、「コーディネータ」ということで、私は、以前、このブログで、
1)「これから脚光を浴びる職種は、教育コーディネーターだ(2014/08/30)」、
2)「製品”iPad”と技術とシステムとコーディネート能力と(2010/05/12)」、
3)「正月に妄想したファッション館(2008/01/04)」、
4)「異業種のコーディネート(2007/08/10)」、などの記事を書いてきた。
パソコンは、成熟(機能性能の大きな成長が止まった)によって、標準化、共通化によって、コモディティ化した。つまり、パソコン製品は、基板があり、そこへ部品を組み合わせてゆくことで、完成する。
そのことで、低価格化が進んで、先進国が手がけるべき製品ではなくなった。同じことが、成熟した自動車にも言えるだろう。
パソコン製品は、ハード部分とソフト部分とで構成されているが、主要部分が、ハードからソフトへと完全に移行してしまった。同じことが、車についても言えるのではないか。
とは言っても、まだまだ先の話だが。しかし、電気自動車(EV)に関しては、そのことがかなり早く訪れるだろう。というのは、電気自動車は、ガソリン車に比べると、ずいぶんと構造が簡単だそうである。
次には、コーディネータについて。教育コーディネータについての私の定義は、
「私の言う、教育コーディネーターとは、「学校における」ではなく、「家庭における」キャリア教育の充実を図るために、世界の教育資源(学校教育を含む)を活用するための教育支援をシステム化する人材のことである」引用from"これから脚光を浴びる職種は、教育コーディネーターだ(2014/08/30)"。
同じような事柄を異業種では、「ファッションコーディネータ」、「プロジェクトコーディネータ」、「自動車コーディネータ」などが登場するだろう。アップルは、そういう方式で成功を収めた企業である。
グーグルは、さまざまな分野で、リーディングコーディネータの位置に立ちたいと、企画を持ち、そのための規格を提示する位置につこうとしている。
目的、目標にそって、さまざまな分野での部分最適化から、(教育、ファッション、自動車などなどへと)全体最適化へと、格上げするのが、コーディネータの役割である。
タコの、それぞれの手(足)が、さまざまな方向へと求めて、手に入れたものを持ち帰ると、コーディネータ(頭)が、目的、目標に照らし合わせて、全体最適化へと、落し込む。
それに少し近い職種が、ファシリテータ(促進者)であろうか。コーディネータは、ある程度完成した人々(部品)(部分最適)を、全体最適化へと構成する。
それに対して、ファシリテータ(促進者)は、未熟な状態にある人々を、グループの中で、活性化させて、育ててゆくことが、目的、目標となる。
ただ、外から知識や技術を教えて、身につけさせるという方向(これは教育機関の役割)ではなく、グループの成員が、自主的に、主体的に育つ、成熟してゆくという方法を採用する。つまり、自主性、主体性を育てる方向である。
すでに、自主性、主体性が育った成員の場合には、リーダーは、コーディネータとして動く。まだ育っていない成員に対しては、ファシリテータとして、立ち現れる。
日本の企業や、教育機関(学校など)は、さまざまな分野に精通した、コーディネータ、ファシリテータを育ててゆくというのが、第一義的役割になってゆくのではないか。
日本では、部分最適した知識、技術、部品を持ち合わせた、中小企業(個人)が、大手の下請けという形でしか生きて行けなかった。
下請けの場合には、(特定の)大手の注文に合わせる形で、最適化せざるを得ない。そこに、独自性が生まれにくい。それが、さらに、下請けに甘んじざるをえないという状況を強化させる。
大手も、下請け制度ではなく、系列制度ではなく、自らの目的、目標にそって、世界にある、部分最適を集めて、全体最適を構成するという(コーディネーション)方式を採用すべきであろう。
そして、これからは、それができるコーディネータを育てるのが、企業の大きな仕事(業務)となるのではないか。
参考)「グーグルもアップルも自動車を目指す」 - リアル開発会議from"日経テクノロジーオンライン"
そこから引用。「グーグルの狙いは、スマートフォンのOSとして世界でシェア1位の「アンドロイド」を自動車業界の標準ソフトウエア基盤にすることだ」
注)車がソフト部分中心になると、トヨタはグーグルの下請け企業へと埋没しかねない。それを避ける事が、「車大手がシリコンバレーに集結」に表れているように思える。
参考)「自動車業界は1985年のIBMと同じ道を辿ろうとしている」byTechCrunch Japan