真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

SMAP解散騒動から考えたこと

SMAP解散騒動を見聞きしていて考えたことを述べたい。今日は、いろいろな視点があるなかで、「収入という点だけに絞って」考えてみた。
しかも、それを個人の側(ボトム)から見るか、組織の側(トップ)から見るか、という点に関して。
SMAP解散騒動では、個人の側、個々のメンバーからすれば、自分達が稼いだ大半を、組織の側、事務所に持って行かれるのは、やりきれないかもしれない。といっても、勿論、実際は、最大の争点は別の問題かもしれない。
他方、事務所(組織)からすれば、ほとんど収入のない新人にも給料を支払わねばならない。それだけでなく、教育費用まで負担しなければならない。先を見据えれば、それは必要不可欠の事柄である。
だから、稼ぎ手、主要な稼ぎ手が出て行けば、事務所(組織)が立ち行かない。もっともなことである。
さらに、大きな稼ぎ手が次々に独立するのを許せば、業界全体の存立問題にもなる。悪い前例を作ることにもなる。他の事務所に顔向けができない。
次には、家庭について、しかも収入という点だけを考えてみる。例えば、サラリーマンの父親、専業主婦の妻、バイトをしている高校生の娘、中学生の息子、の四人家族。
収入という点だけを見れば、稼ぎ手は父親と娘(といっても数万円程度)だけである。でも、多分、父親と娘だけであっても、そのことに関しては誰からも文句は出て来ないだろう。内心では思っていても。
問題になるとすれば、多分、家庭全体の収入と支出のバランスであろう。個々の収入ではなく、組織全体の収入である。これは、多分、チームの結束状態とも関係していると思える。
勿論、外からの収入には何ら結びつかない労働を考慮に入れなければ、きちんとした議論にはなっていないのは承知している。
ここで少し方向を変えて、「CNN.co.jp : 貧富の格差増大、上位62人と下位36億人の資産が同額」、という記事を取り上げたい。そこから引用。
「世界の富裕層の上位62人が保有する資産は、世界の人口全体の下位半数が持つ合計と同じ額に達している」
「上位62人と下位半数に当たる36億人の資産は、どちらも計1兆7600億ドル(約206兆円)だった」
この富裕層の上位62人は、世界は一つの組織、チームだから、我々の資産を世界全体と分かち合おう、とは思っていないだろう。家庭内では当然であっても。
ところが、驚いたことに、Facebookザッカーバーグ氏が、巨額の寄付をしたということで、世界も驚かせた。がしかし、実際には違うようである。
参考)「ザッカーバーグの「巨額寄付」は美談ではない | The New York Times | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
企業内でも、家庭内で行われているほど(最大の稼ぎ手である亭主の小遣いが3万円は多いに有り得る)、必要に応じた分配を行う気はさらさらないだろう。
組織にとって思うほどの儲けを生み出さない人達や製品や部署は、リストラとして、選択と集中として切り捨てられる。日本でも、ますます、成果主義能力主義の下に分配される傾向にある。
ここでも、個人と集団(組織)という構図(対立軸)が見える。
残念ながら、私には、これに対する答えを見出だせる力量はない。多分、答えなどないのだろう。あるのは、思想だけであろう。
こうすれば、より良いき社会になるだろうという思想に、収入多き富裕者が賛成するかにかかっている。というのは、悲しいかな、トップはどうしても、収入を多きくたたき出す人達・製品・部署などの方を向きがちである。
特に、日本のトップは、力の強いもの、お金持ちをお好きと見える。トップが儲ければ、そのおこぼれがボトムにまでしたたり落ちるだろう、という思考をするトップを頂くと、ボトムは苦労を強いられる。