真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

時に無意識は失敗を求める

「肝心なときに不運が」
◎「俺は、私は、肝心なときに不運に見舞われる」と、あなたは自分の不運を嘆いていませんか。でも、もしかすると、その不運は自分が招き入れているのかもしれませんよ。
「無意識が意識を引き継ぐ」
◎私たちの行動は、最初は意識が都合をつける。例えば、自転車の乗り方のように。しかし、お分かりのように、繰り返されると、無意識がそれを引き継いで自動的に処理をするようになる。
「新しいことは意識が主導」
◎脳はそのように作られている。そのことによって、生物は新しいことを身につけられる。新しいことを開始するには意識が主導する。
「自分がしたと思わない」
◎しかし、自分がそれを身につけたという意識や記憶がなければ、無意識が自動的に処理をしても、それを自分がしたと思わないことも多い。
「他人から指摘されて」
◎実際にしてしまい、他人から指摘されて初めて、「ああ〜、大変なことをしてしまった」と嘆き、後悔することも多いのも事実である。
「行動を言葉で説明できず」
◎長嶋元監督は、自分の行動を言葉では説明できずに、「あ〜、あのですね、う〜、こうですよ」と、言葉にならないもどかしさを感じていた。
「無意識はブラックボックス
◎無意識が自動的に処理をした事柄を、意識が理論的に順序立てて説明できないことは多い。多いというよりも、できないのはどちらかと言えば、当たり前である。無意識は「ブラックボックス」である。
「全自動」
◎時には、全自動である。全自動洗濯機は、汚れ物を入れたり、スイッチを入れたりまでは自動ではないが、無意識は、情報を入れたり、スイッチを押したりまで自動化される。
「出来れば回避したい」
◎私たちは失敗した時には、恥ずかしさ、怖さ、不幸咸を味わい、次には、出来ればそれを回避したいと思う。ある人はその時に感じた感情を味わわなくてすむように、強く努力をする。
「意識が踏ん張って乗り越え」
◎大人であれば、そのように意識が踏ん張って、その感情を乗り越えようとするかもしれない。その感情を薄める方向に頑張るかもしれない。
「意識が強靭ではない幼い頃」
◎しかし、まだそんなに意識が強靭ではない幼い頃に、例えば、失敗した時、親の叱責が心に強い重荷(トラウマ)を感じたとすれば。
「ますます感情は強まる」
◎しかも、それが繰り返されるとすれば。ますますその感情は強まる、高まる。それを回避したい気持ちが、回避行動を見つけてしまえば、やがて無意識によって自動的に処理をされてしまう。
「大事なときに限って病気」
◎そうすると、本人は、大人になってからそれを運のせいにしてしまいがちである。「僕はなんて運がないんだ、大事なときに限って病気になったり、不幸が舞い込んでくる」と嘆いている。
「無意識が手はずを整える」
◎しかし、真実は、無意識がそのように手はずを整えているのかもしれない。無意識が、失敗を回避しようと、手はずを整えた結果かもしれない。
「自動的にスイッチが入り作動」
◎脳は、繰り返されると行動は自動(無意識)化する。それは小脳が中心的役割を担っている。一旦自動化されてしまうと、同じような状況・環境に置かれると、自動的にスイッチが入り作動し始める。
「心的外傷体験」
◎幼い頃に、失敗して、親にこっぴどく叱られて、それが心的外傷体験として強く記憶に刻み込まれる。そうなると、同じような状況・環境に置かれると、過去の記憶が呼び覚まされて、強い恐怖心が湧き上がる。それが、実行を、行動の完遂を、躊躇させる。
「窮地を病気が救う」
◎その時に、たまたま胃が痛んで苦しそうにすると、親がしなくても許してくれる。その体験は、「窮地を病気が救ってくれた」という安堵体験として記憶に残る。
「窮地を救う物は偶然が支配」
◎この窮地を救う物は偶然が支配する。ケガかもしれないし、母親かもしれないし、ペットかもしれない。腹痛、頭痛、怪我、骨折、電車の乗り違え、荷物や書類の紛失、などなど。
「苦を避け快を求める」
◎人間も含めて生物は、恐怖などの苦を避け、快を求める。失敗の可能性の高い挑戦時には、恐怖や不安がどうしても沸き上がる。それが生物を生きながらえさせてきた。
「恐怖や不安は自然な感情」
◎だから、恐怖や不安は自然な感情である。未知な事柄、失敗の可能性の高い事柄には、無意識が、恐怖や不安という自然な感情を送り出す。
「失敗回避行動を作動」
◎そして、その感情が失敗を回避しようと、自動的に無意識内の失敗回避行動を作動させる。そして、それを私たちは、不運だ、運が悪かった、ついていなかったと、嘆く。
「不動心」
◎不動心とは、無意識からの恐怖や不安などの自然な感情が湧いてこない、たとえ湧いてきても、それに左右されない意志の強さである。
「感情を取り除きたくなる」
◎私に欠けるのは、この不動心、心の強さである。私は、恐怖や不安などが湧いてくると、居ても立ってもいられなくなり、その感情を取り除きたくなる。時に人は、恐怖や不安から逃げ去るために、死さえ選ぶ。
「恐怖を回避するために死を選ぶ」
◎おかしなものである。生物に、恐怖や不安などの自然な感情を手にいれたのは、死などの危険からの回避のためであるのに、逆に、人間は恐怖や不安などの自然な感情を回避するために死を選びさえする。