真 夢人 日記

心理学、哲学、脳科学、宗教に関心があり、それらについて自分なりにまとめたものをこのブクロで発信していきます。

中国という国の思考回路を考えてみた

中国という国の思考回路は、徹底的な現実主義である。
それは、今ある法や理論よりも、実力や才能が優先される。
法や理論は、過去からの積み重ねによって形成されたものであるが、実力や才能は、発揮されてこそ意味を持つ。
つまり、徹底的な現実主義は、あらゆる手段を駆使して、それが法律に叶うかどうかはどうでもよく、とにかく自分を拡大してゆく。
勝った者が勝ちである。正しいかどうかは、勝ったかどうかで判断される。
正しいかどうかではなく、やったものが勝ちである。それが既成事実化していく。
法律や理論は、それを後追いしていくだけにすぎない。
紳士の国々、欧米では、フェアプレイが重んじられるが、逆から言えば、自分達が決めたルールを守らなければ入れてやらないである。冷戦はある意味、そういう意味を持っていた。
成功したやり方がルール化する中国は、永遠の発展途上国である。先進国には成り得ないし、先進国なんて糞食らえだろう。
先進国は、過去が重視される思考方法を持つが、中国は、未来が重視される国である。
過去は完全に破壊尽くして、未来を建設すべきだという歴史が繰り返されてきた国柄である。
だから、先進国の論理を中国に当てはめても、中国は意に介さないし、勝った者が勝ちであるという思考(志向)から、これからも物事を判断する。
ロシアも、今やっているのは、その方式である。勝った者が勝ちである。正しいかどうかは、勝ったかどうかで判断される。勝てば官軍である。
例えば、中国は、防空識別圏という考えを世界に放り込んだ。
防空識別圏の名を借りた中国の領空拡大を許すな 中国に怯え誤った行動に出た日本航空、全日空:JBpress(日本ビジネスプレス)
そこから引用。防空識別圏という考えは、「国際法で認められた公海上空の飛行の自由を妨げている」。
しかし、中国にとっては、そんな法や思想はどうでもよい。過去の何かを根拠に正当性を主張するのではない。
正しいかどうかが判断基準ではない、中国を拡大できるかどうかが判断基準であり、それを内外に意識させるための打ち上げ花火であり、世界の動きを知るための観測気球である。
紳士的な欧米思考、思想では、全く手も足も出ない、実力一辺倒の国である。
今の世界の状況は、六法全書を抱えた紳士と、斧を振りかざす狩人が喧嘩するようなものである。
欧米からすれば、自分達は、勝った者が勝ちの不安定さから脱して、法と正義と根拠に基づく、秩序の世界を築きあげた。
だけど、反面、そこには停滞とよどみとが待ち構えていた。過去への重視が待っていた。そこに新しい風を吹き込んでいるのが、未来志向の実力や才能を優先する思考回路である。
既成(持っているものが勝)が優先する日本も、その風(実力や才能の優先)に吹き飛ばされそうになっている。
成熟した国々、先進諸国には、法に基づく安定が最優先である。しかし、発展途上国にとっては、実力や才能によって未来を形成できる不安定さがありがたい。
日本が、もし中国を脅威だと見るならば、安定最優先に陥っているからではないか。
今あるものを守ろうとするならば、今無いものを築きあげようという意欲を持つ国々と対等の戦いはできない。